ホームページ制作、フリーランス経験者が語る相場のリアル
- 2023年7月3日
こんにちは。KINTARO DESIGNの岡田です。私自身、フリーランスとしてWEB制作を生業にやってきました。2016年に独立して、2020年に法人化をすることができたのですが、紆余曲折それはいろいろありました。
と、話がそれてしまいそうなので、あらためて今回のテーマ「ホームページ制作をフリーランスに発注した場合の相場」について、リアルな主観をお伝えしていきたいと思います。
目次
数千円〜50,000円の格安フリーランス価格
まずは、お安い価格のパターンから見ていきましょう。お金があまり使えない事業主さんからすると、魅力的かもしれません。では、なぜこんなに安いのかを検証していきます。
安くないと売れないと思っているフリーランス
高いと売れないので、シンプルに安くして売っているという人です。もしかしたら、もともとWEBの経験や知識がなくて、独学でホームページ業界に参入して、自分のノウハウにあまり自信がない人も少なからずいるかもしれません。
そういう人は「ホームページをつくる」という以外の付加価値がなかなか付けられず、価格を安くしがちなイメージがあります。付加価値というのは、例えば
- クオリティの高いデザイン
- 売れるためのコンサルティング
- アクセスを集めるためのコンサルティング
- 魅力的な原稿を提案する力
- 機能のカスタマイズや必要な機能の提案
などなどです。「ホームページをつくる」以外の付加価値がつけられず、価格で勝負せざるえないのかもしれません。
いっぽう、戦略的にお安くしているフリーランスの方もいます。
売れる人脈があるうえ、スピードが利点のフリーランス
これはある交流会で、実際に会った方のお話です。50,000円以下でホームページ制作をされている方なのですが、まず、その方は基本営業メインで、外に出てがんがん売ってくる。
買う方も、50,000円だったらリスクは低いので、とりあえずホームページがないしつくるか。という動機で発注。発注が決まったら、もうひとりのスタッフが制作をする。
制作もデザインなどはほぼせず、事前に用意していたHTMLのテンプレートをベースに、色を変えたりする形で対応。
原稿もお客さんから全支給してもらって、あとは、簡単に写真と原稿を流し込んで終了。原稿と写真さえお客さんからスムーズにもらえれば、1日あれば完成する作業です。
実際、私もそのホームページは拝見させてもらいましたが、「ちょっと、自分ではこのクオリティで提供はしたくないな」と思いました。
しかし、「それでいい」「よくわからんけどOK」という方も、世の中にはたくさんいて需要があるんですね。
WixとかJimdoとかWordPressとかのツールをそのまま導入するパターン
私自信も当時WixとかJimdoとか、ほぼ無料でホームページがつくれるノーコードのサービスに興味があって、「1日で作れるJimdo講座」に参加したことがあります。
その講座は、あるセミナールームで開催されました。Jimdoのアカウントをその場でつくり、トップページ、メニュー、画像、プロフィールページ、サービスページ、などなど基本的な操作やページの作り方を上から順に教えてもらい、サンプル的なサイトが完成。
たしかに、1日で形になりました。自分はWEB制作のプロですので、「ずいぶん簡単に作れる時代になったものだ」と感心しました。
まあ、だれでも形にできる反面、デザインのクオリティはまったく満足できるものではないのですが。それでも、PC操作自体が少し苦手な世代の方も、最後までつくれていたので大変喜んでいました。
しかし、ここから先が問題でした。「ページができたら、サービス紹介とプロフィールに原稿をいれてください」という、指示が講師からあったのですが、全員がピタリと手が止まりました。
ここであらためて気がついたんです。「ホームページの側(ガワ)はだれでも作れる時代かもしれないが、本当に売れる原稿というのは、本人ですら簡単に書けるものではないのだ」と。
当時、私は個人事業主向けに、商品やプロフィールの原稿の書き方のコンサルティングをやっていたので、すくっと立ち上がって、そのままみんなに教えてあげたくなりました。
そのコンサルも、そのとき30万円くらいは取っていたので、ホームページの側は数千円とかでできるけど、もっと本質的な部分「売れる原稿を書けるようになる」というのは、もっと価値のあることだと、あらためて感じたのでした。
私自信、「1日でWordPressサイト習得制作講座」というのを、ひとり50,000円でやったこともあります。いい経験になりましたが、数名やってやめてしまいました。
理由は、「原稿までコンサルする時間がない」「完成してもみんな自力で育てない」「ガワだけ作ってる自分がイヤになる」という点です。
しかも、50,000円で安く作ったという前提が自分のなかにあるので、完成後、後日、ちょくちょく「フォントを別のにしたい」とか、「ヘッダーバナーを修正したい」とか、あとからいろいろ相談がくるのがけっこうしんどかったのです。
もちろん、お金をもらって対応すればいいのですが、そもそも50,000円のものなので、「え、その修正だけで15,000円かかるんですか?」という、やりとりに精神的な疲弊を感じてしまいました。
200,000円〜300,000円のミドル級フリーランス価格
このくらいの金額からちゃんとデザインして、ヒアリングして、という金額感になってくると思います。しかし、それでもかなり安いと個人的には思います。私もこのくらいの金額でいくつも受けたことがありますが、内訳を見てみるとこんな感じ。
WordPressでちゃんとゼロからデザインして制作する場合
- ディレクション:50,000円
- デザイン100,000円
- コーディング(WordPress込)50,000円
こんな感じでしょうか。(これでもかなり安くて、通常各クリエイターさんに直接発注すると、2倍とか3倍くらいはかかります)
これで自分がディレクションとして、フロントに立って受注して、全部自分でやった場合は、まるまる20万円の利益になります。
しかし、全部スムーズに一定のクオリティでできるフリーランスというのは稀です。デザインはできるが、コーディングはできない、とか。ディレクションはできるが、コーディングは無理。とか、全能タイプでないと、まるまる利益にはできません。
しかも、全部自分でやろうとすると、時間的な拘束も問題になります。原稿や写真のやりとり、打ち合わせなども並行して行うと、早くても2〜3週間はかかります。
それを月に1本か2本。もちろん、案件がちょうどよく来るはずもないので、不安定になります。
ちなみに私の場合は、メインはディレクターのみになるので、利益は50,000円のみ。ディレクターだけなので、月4件回せば、それなりの収入にはなりますが、毎月4件を受注し続けるのも難易度は高い。
というわけで、200,000円〜300,000円で受けるのは、私ならいまはやらないですが、「ほぼ利益なしの特別価格」になります。うまくWordPressのテーマを使い回したり、効率化していく工夫が必要になります。
当KINTARO DESIGNが138,000円でできる訳
200,000円〜300,000円は安い!と否定的な話をしてましたが、当KINTARO DESIGNは138,000円でやっています。なぜ、その金額が可能なのか、なぜ、その金額にしたのか、その真相を語りましょう。
まず、第一に弊社では、個人向けのKINTARO DESIGNと法人向けのTYRANNO CREATIVE ARTSのふたつのWEB制作サービスを切り分けて運用しています。
法人向けのサービスは、じっくり戦略から何日もかけて立案、デザインなどもゼロからフルスクラッチで制作、組み立ていきます。必然的に金額も2,000,000円とか3,000,000円とかかかって来ます。
いっぽう、KINTARO DESIGNは基本的に初回ヒアリングは1~2回、原稿はこちらで導線や書き方は伝えるが本人に脳みそを使っていただく、デザインはメインビジュアル(ヘッダーバナー・PCとスマホ版で)1デザインのみ、事前に弊社で制作したWordpressのテーマを用意したものをベースに制作。
そして、月額利用料12,800円のなかで、より成果につながるための質疑応答や、ナレッジサイトの閲覧などで、迷わずホームページを育てられる環境を用意する。
個人の方のホームページ制作であれば、フルスクラッチでデザインして、コーディングして、の工数ははっきり言ってオーバースペックだと思っています。そういった過剰なコストはカットして、その分をこつこつサイトを育てるための部分に寄せることが理想と考えたのです。
売るためのホームページをつくり、コンサルしてきた弊社だからできるサービスだとも思っています。
500,000円〜800,000円のハイクラス級フリーランス価格
以前、60万円したんですよ〜。と語る個人事業主の方のサイトを拝見しましたところ。「いい仕事してますね!」と、認めざるえませんでした。
もちろん、いい点とあれ?という点とがあり、フリーランスの方にもそれぞれ、こだわりや偏りはあるのですが、全体的に「いいサイト」でした。
当時、私も法人化前で、だいたい60万円〜80万円くらいで受けることが多かったので、同じ感覚なのだなと思いました。
なので、500,000円〜800,000円で実績がちゃんとあって、ノウハウや付加価値を語れるフリーランスの方は、私の感覚で言うと「いい仕事している」方が多いのではないでしょうか。
もちろん、全行程をひとりでやる方もいますし、チームでディレクター、デザイナー、コーダーと数名で組んで制作している方もいます。
総評
50,000円以下のホームページでも、売れる人は売れます。売れる人は、もともとその人にお客さんがたくさんついていて、ホームページがあってもなくても売れていた人です。ホームページができると、より依頼しやすくなってブーストがかかるイメージ。
過去50,000円でWordPress講座で制作させてもらった弁護士さんがそうでした。50,000円のホームページでどかどか案件とって、どかどか人採用して世界に羽ばたいていきました。
その方は、差別化が明確で、コンセプトがすでに仕上がっていたんだと思います。そして、濃いブログも継続的に更新されています。いまも更新していて、成果をあげています。もともとそれができる人。
いっぽう、80万円とかかけて、かっこよくて、機能的なサイトをつくったとしても、事業コンセプトがはっきりしていなかったり、ページが作りかけだったり、ブログも更新できていなかったりすれば、成果を出し続けることは難しくなります。運用の予算があれば、毎月何万円も何十万円もお金をかけて、SEOコンサルやライターを仲間にし、成果を出す仕組みをつくることも可能でしょう。
あなたが、個人事業主の方なのか、企業の担当者なのか、立場によってもホームページの必要性は変わってきます。もともと、オフラインでも儲かることができているのか、これからゼロで市場に参入していくのかにもよってホームページの活用方法や、反響のでかたも変わってきます。
まずは、あなたの状況、立場、そして運用がちゃんとできるか、総合的に判断して予算を決めていくことをおすすめします。困ったかたは、ぜひ弊社へご相談してみてください。
この記事を書いた人
代表取締役岡田 健太
KINTARO DESIGN 主催。TYRANNO CREATIVE ARTS株式会社 代表取締役。 WEBデザイナーからキャリアをスタート。現在はWEBプロデューサーとして個人・企業のWEB戦略から手がける。コンテンツの企画・制作の専門家でもある。顧客の思考を整理する「コンセプト・ワーク」を得意とする。